藍染 - インディゴ -
藍染とは植物染料「藍」を用いた染色技法です。
日本での藍染が庶民に普及していったのは、江戸時代。
藍染は木綿布との相性が良かったため、藍染は庶民向けの衣類や雑貨にも浸透していきました。
それこそ着物から帯、仕事着、のれん、浴衣、とあらゆるものに藍染は使われていきます。
藍染の「青」は「ジャパン・ブルー」と呼ばれることがあります。
明治初頭、来日した英国人が、町が藍色に彩られている様子を「ジャパン・ブルー」と表現したのが由来です。
当時、海外を渡ってきた人々にとって、藍色は日本を象徴する色であったようです。
古代からウォードを含む植物を発効させた天然藍が、紺色染料として世界各地に利用されてきました。
しかし、その生産量は極めて少なく、高価な貴重品でした。
中世アラブ商人が、亜熱帯地区、特にインドにて大量生産された乾燥発酵藍をヨーロッパに送ったことが、藍色染料=インディゴの語源とされています。
アフリカ密林地区では、自然発酵した藍色水に虫が寄り付かないことからか、毒虫除けとして藍染織物を珍重されたと伝えられました。
1900年頃、ドイツにて石炭タールから合成インディゴの製造に成功、天然藍に替わり、世界の合成インディゴ染料独占販売しましたが、世界大戦後各国にて生産されています。
我が国では明治末から大正初期にドイツからバット染料と称して輸入し、天然藍に変えて使用始めたが高価なうえ、管理に手間どり悪銭苦闘が続きました。
そこで従来、藍染浴衣手拭染工場が、まず手ぬぐい染の方法として、伊勢型紙にて、生地に1枚分ずつ柄を糊付けし、折り重ね1反分の糊のない柄部分に染料を注ぎ染める方法を開発しました。
現在は、注いで染終わった染料を回収して、再使用することで、染料コストを下げることにも成功しました。
手拭注ぎ染法は、浴衣染めに向け、図柄・型紙・糊付・染色、各職の工夫により量産され、廉価な普段着として大正中期から日本中に普及しました。この重ね折り 注ぎ染の方法は、世界には無く、日本が誇る、日本独自の染色技術です。
Y.Ishikawa SHOP でも藍染手ぬぐいを多く制作しております。